Day33.今とこれからの話

休日の午前中にお気に入りのシャツを着て、Nulbarichの最新アルバムの1曲目を再生し、涼しい風と温かい日差しを浴びながらパン屋さんに行く。

好きなパンを2つほど見繕って席に座り、パンを1つ食べたところでおなかは満たされもう一つは明日の朝ご飯にしようかなと考えながらPCを開く。

視界には青々とした植物とアイスティー

 

社会人になって約1ヵ月が経とうとしています。

学生時代に忙しい生活をしていたこともあり、急に身体的・精神的な苦痛が訪れたわけではないのですが、思ったよりも…ということはやはりいくつかありました。

 

「良い知らせと悪い知らせがあるんだけどどっちから聞きたい?」

 

僕は良い知らせから聞く派なので思ったよりも良かったことから。

 

大きく3つあるのですが、一番は

「社会人って思っているよりしんどくない」

ということです。ブラック企業、通勤ラッシュ…仕事に行きたくない、仕事辞めたいという人も多くいると思いますが、僕もそうなるのかなと思っていました。

まだ1ヵ月だからかもしれませんが、一度も仕事に対してネガティブな感情を抱いたことはありません。

毎日新たな学びの連続で、様々な視点も増えていく。社会には先輩しかいない。そう考えるとこの1年は良い意味でなにをしても良いし何を言ってもいい。そんな1年なのかと思います。

 

残り2つは生活習慣とインプットの習慣です。

6時30分に起きて23時30分に寝る、朝が弱いことで名を馳せていた僕がそんな生活をしています。特に朝起きるのがしんどいわけでもなければバタバタするわけでもありません。

人間の適応能力って素晴らしいなと思います。

 

 

インプットに関しては、学生時代と比にならない程です。すでに去年1年分くらいのインプットをしている気がします。

思えば学生時代はわからないもの、新たな試みに対して自分のその時点の能力で解決しようとしていたなと思います。

本を読んだりウェビナーや研修に参加したり、そんなインプットは全く意識していませんでした。

その時の自分に「いや、何を進めるか考えるよりもそうやったらうまく進められるか考えろよ」と言ってやりたい気持ちです。

 

良い知らせはこれくらいにして、悪い知らせの方も。

社会人になって、思っていたよりアクティブに動くことができなくなりました。物理的にというよりも精神的にです。

仕事が終わって自宅に帰る、夕食を作って、洗い物をして、洗濯物を干して…

一通り家事を済ませて時計をみると21時30分ごろです。23時には就寝の準備をするとして、空白の90分をどう使うか。

本来なら趣味の時間に使ったり誰かと電話をしたり資格の勉強したりするのだと思いますが、疲れからかだらだら過ごしてしまいます。

 

このブログもその時間に書きたいと思うのですが、その日のエネルギーはすでに底をついており、スイッチも完全にオフになっています。

人間は1日に選択できる回数は35000回だそうです。

その中には朝起きて布団から出ることお昼ごはんにどのお弁当を買うかといった簡単な選択も含まれています。

そしてその選択が35000回に達するとその後の生産性はかなり落ちるそうです。

 

ブログを書こうとするとかなり多くの選択に迫られます。

どんな順序で何を書くか、どういった言い回しを使うか、どう改行したら見やすいか…かなりの「選択回数」を要します。

 

というわけでお休みしていました。

ここまでは今の話をつらつらと書きましたが、ここからはこれからの話を書こうと思います。

 

今の話(という名の言い訳)でも書きましたが、今の生活で毎日更新することはかなりハードルが高く、継続できるとは思えません。

毎日更新しているYouTuberってすごいなとつくづく思います。

空白の90分は小説を読んだり部屋の片づけをしたり、スイッチオフの状態でまったり過ごしたいと思います。

 

と言っても何かアウトプットしたいという気持ちもあるので、この機にnoteに移行し、週1回か2回くらいのペースで何か書きたいと思います。

 

「ねこ」という名前も最近様々な形で卒業しているので、違う名前にして、新鮮な気持ちで始めようと思っています。

りもこんかくし|note

 

少しの間でしたが、たくさんの方に読んでいただきました。

ありがとうございました。

 

Day32.「承」の話

ある朝うなされて起きると自分が蟲になっている話

世に悩んだ末に森で彷徨い、虎になってしまう話

草食獣の前で豹変してしまうハイイロオオカミの話

 

昔から変身する話が好きだった。

 

人間の心の奥底に眠っている嫉妬や、傲慢さといった弱い心や欲望が表面に出てきているような気がするから。

 

自分が自分をさらけ出すこと、弱い自分を見せること、それは人間が本能的に嫌っていることで、

仕方ない。

仕方ない。

仕方ない。

 

そうやって理由をつけて、なかったことにする魔法を使って、

日々をやり過ごしていく。

 

毎日YouTubeの流れる画面に吸い込まれて、

丑三つ時に駆ける蝙蝠の声を聞く。

まるでアイスティーに注ぐシロップのように、夜闇に溶け込んでいく。

 

いつになったら変わるのか全くわからないけれど、まだゆっくりでいい。

 

まだ、魔法使いのままでいさせて欲しい。

Day31.「起」の話

昔から影をよく見ていた。

 

あの通学路、部活終わりにみんなで帰る道、僕だけが後ろを歩いている。

 

隣には誰もいなくて、みんなの影を踏みながら話を聞いて、そこにいるために笑っている。

 

成績優秀でスポーツもできるあいつにはどんな景色が見えていて、どんなことを考えているのだろう。

わかりもしないそんなことをずっと気にして、こびり付いた焦げのようにいくら擦ってもとれない。

 

笑われると、怒られると、自分がそこにいてはいけない気がして、だけど逃げ出す勇気もない。

 

幸せで充実した毎日はやってくるのか。

素直な自分と出会えるのか。

自分で自分のことを好きになれるのか。

 

踏み出せない僕はみんなの影に引き摺られている。

 

明日こそは

 

自分の好きな自分でいられるように

 

と思うけれど、また夜更かしをする。

夢を持っている人に

がんばることができる人に

欲望に打ち勝つことができる人に

責任を負うことができる人に

 

ずっと憧れて、

 

だけど引き摺られる方が楽で、

何事もなく過ぎ去っていく日々でいい。

 

僕は生きている意味はあるのか

 

そんな心の奥底の黒ずみは

ロックの音で流したつもりにする。

Day30.懐かしい話

私の母校は高石市という大阪の南の地方に位置しており、南海電車に乗って毎日爆睡しながら通学していました。

いくつかの会社のお客様がそちら側にあるため最近何度か南海電車に乗る機会があり、母校を一瞬見かけることがあります。

 

もっと色んなことにチャレンジして楽しめばよかったけど、あれはあれで良い高校生活だったな。と今になると思えるのですが、卒業後すぐはそう思えず、あまり良い印象を抱いていませんでした。

 

母校をちらっと見たりあの日見た風景をもう一度見たりしていると、とても懐かしい気持ちになり、当時聞いていた音楽を探し出してきて感傷に浸るなどしてしまいます。

 

きのこ帝国の金木犀の夜を聴きながら、いつかの夕方の疲れきった帰り道や、伸びきったセーターの袖や、抹茶クリームフラペチーノを思い出し…

そうしている内に駅につき、次の乗り換えの電車を確認します。

 

思い出しながら特に何かを思っている訳ではありません。なんとなく心に穴が空いた気がして、ただ強くなりたいなという意志だけが残ります。

 

熊徹の化身である剣が九太の心に入っていくように、何かで心を満たしたいと思いながらその時にはもうプレイリストの最後の曲は終わり、いつの間にか全く知らない歌詞が耳に流れ込んできています。

Day29.『時計じかけのオレンジ』の話

先日、ずっと気になっていた『時計じかけのオレンジ』という映画を見ました。

 

木曜日に見たのですが、木曜日の夜に見るような映画ではありませんでした。

おそらく水曜日も月曜日もだめだと思うので、土曜日の20時くらいから見始めるのがおすすめです。

 

時計じかけのオレンジ』は『2001年宇宙の旅』や『シャイニング』で有名なスタンリー・キューブリック監督の作品で、1971年に公開されたものです。

 

ホラーが苦手な方にはおすすめしません。と言うくらいグロテスク、というよりも見ていて気分が悪くなります。

 

こんなことを言っておきながらもここに書くのは、それだけ内容が興味深いものだったからです。

私がおすすめしたい映画ランキングで、『ショーシャンクの空に』の次にランクインしました。

 

気分が悪くなる、というのは大量の血が飛び散るわけでもなければ、井戸から髪の長い女の人が這い出てくるわけでもなく、

自由放任な社会(夜の街)を暴力や性で表し、管理された社会(昼の世界)との対比やその中での人間について描かれているからです。

 

軽くあらすじを紹介します。

主人公は近未来ロンドンに住む15歳のアレックスというベートーベンをこよなく愛する少年です。彼は少年4人組でドラッグ入りミルクを飲んで夜の街に繰り出し、チンピラやホームレスを襲ったり盗んだ車で暴走したり、郊外の家を襲ったりと無計画に暴力を振るっていました。学校は仮病を使って休み、また夜の街に繰り出しては暴力と性の衝動のままに過ごしていました。

そんなある日、アレックスは仲間と揉めてしまい、忍び込んだ家で1人だけ警察に捕まってしまいます。捕まったアレックスには14年の刑期が科されました。模範的な行動をとっていたアレックスは2年後、その残忍さと野心からルドヴィコ治療という新治療法の実験体となり、出所することになります。

ルドヴィコ治療とは、過酷な状況下で暴力などの社会的に悪と言われる映像を見せることで条件反射的に暴力や性を拒絶するようにするという非人道的な治療法です。

アレックスはその治療後、社会に出るのですが今までの復讐に対して抗うことができず重症を負い、自殺しようとしてしまいます。アレックスは生還するのですが、世間ではルドヴィコ治療法が非人道的であると非難の的になりアレックスにはの回復治療が施されます。最終的にアレックスは暴力的な思想を取り戻し、祝福されて物語は幕を閉じます。

 

ガンガンネタバレしましたが、これを見た上でもおもしろいと思います。

 

私が一番おもしろいなと感じたのは、アレックスを含む4人組が使う“ナッドサット言葉”と呼ばれるスラングです。このナッドサット言葉のせいで、正直初めは何を言っているのかわかりませんでした。

しかし、作中での使われ方や周囲からの見え方がおもしろいなと感じました。

 

長々と書きましたが、百聞は一見にしかずということもあります。ぜひ見て見てください。最高の映画です。

 

 

Day28.株式会社俺の話

以前どこかで、「株式会社俺」という考え方を目にしました。

 

「株式会社俺」とは、自分をひとつの会社に見立て、仕事事業部、友達事業部、趣味事業部と言った具合でいくつかの事業部に分けたり、事業部ごとのステークホルダーを意識したりするという考え方です。

 

昔、ピクサーの映画でインサイドヘッドという作品があったのを思い出します。頭の中の喜怒哀楽がキャラクターとなって出てきて、様々な展開を繰り広げます。

 

話が逸れましたが、ここでは私の株式会社について考えてみたいと思います。

「株式会社ねこ」は恋人事業部、友達事業部、仕事事業部、ハウス事業部の4つの事業部から成っています。

現在最も成長しているのは仕事事業部です。ここ1週間ほどでぐんぐん伸びてきていますし、これからも成長が期待できます。

同時にハウス事業部も少しずつではありますが伸びています。主に、自宅の模様替えや大掃除といったビッグプロジェクトに取り組んでいます。

恋人事業部はステークホルダーが少ないからこそ、質の高いものが求められます。近頃は外部環境の変化が著しく、大きな転換期かもしれません。今までの常識を疑い、常に適応していく必要があります。

友達事業部は仕事事業部と相反して伸び悩んでいます。古いものは大切にしながら、新しいプロダクトの開発も視野に入れていく必要があるでしょう。

 

「株式会社俺」という考え方で重要なのは、ひとつの事業部だけが上手くいっていても、会社全体で見ると上手くいっていないこともある。ということです。

また、会社にも中長期計画が必要だったり財務や人材など様々な観点があったりしますが、株式会社俺にも同じことが言えます。

 

自分の現状を把握し、これからどうして行くのか考えるには、とてもいいフレームワークではないでしょうか。

Day27.マンガと世相の話

令和を代表するマンガと言えば、もちろん「鬼滅の刃」だと思います。あんなに老若男女問わず人気になったのはポケモン以来ではないでしょうか。

 

一昔前はワンピースでした。

そのまた前はスラムダンク

そのまた前はキャプテン翼でしょうか。

 

その時私はまだ生まれていないのですが、流行るマンガはその時の世相をとてもよく示していると思います。

 

ベビーブームで子どもが多かった時代にはスポーツマンガが流行り始め、

その後の混沌とした2010年頃には仲間と共に夢へと突き進む主人公を描いたマンガが流行りました。

 

では、鬼滅の刃の特徴は何なのでしょうか。

 

個人的には、わかりやすさと正義だと思います。

情報が多様化、多量化した現代社会では、人間の処理能力が追いついていない場面がよく見られます。

だからこそ、「かわいそうなんだ」「悪いものは悪い」といったわかりやすさと絶対的な正義は人々の心に澱みなく入っていくのではないでしょうか。

 

自分は特にマンガのに詳しい方ではないのですが、探究していけば何か見えてくるものはありそうです。