Day29.『時計じかけのオレンジ』の話

先日、ずっと気になっていた『時計じかけのオレンジ』という映画を見ました。

 

木曜日に見たのですが、木曜日の夜に見るような映画ではありませんでした。

おそらく水曜日も月曜日もだめだと思うので、土曜日の20時くらいから見始めるのがおすすめです。

 

時計じかけのオレンジ』は『2001年宇宙の旅』や『シャイニング』で有名なスタンリー・キューブリック監督の作品で、1971年に公開されたものです。

 

ホラーが苦手な方にはおすすめしません。と言うくらいグロテスク、というよりも見ていて気分が悪くなります。

 

こんなことを言っておきながらもここに書くのは、それだけ内容が興味深いものだったからです。

私がおすすめしたい映画ランキングで、『ショーシャンクの空に』の次にランクインしました。

 

気分が悪くなる、というのは大量の血が飛び散るわけでもなければ、井戸から髪の長い女の人が這い出てくるわけでもなく、

自由放任な社会(夜の街)を暴力や性で表し、管理された社会(昼の世界)との対比やその中での人間について描かれているからです。

 

軽くあらすじを紹介します。

主人公は近未来ロンドンに住む15歳のアレックスというベートーベンをこよなく愛する少年です。彼は少年4人組でドラッグ入りミルクを飲んで夜の街に繰り出し、チンピラやホームレスを襲ったり盗んだ車で暴走したり、郊外の家を襲ったりと無計画に暴力を振るっていました。学校は仮病を使って休み、また夜の街に繰り出しては暴力と性の衝動のままに過ごしていました。

そんなある日、アレックスは仲間と揉めてしまい、忍び込んだ家で1人だけ警察に捕まってしまいます。捕まったアレックスには14年の刑期が科されました。模範的な行動をとっていたアレックスは2年後、その残忍さと野心からルドヴィコ治療という新治療法の実験体となり、出所することになります。

ルドヴィコ治療とは、過酷な状況下で暴力などの社会的に悪と言われる映像を見せることで条件反射的に暴力や性を拒絶するようにするという非人道的な治療法です。

アレックスはその治療後、社会に出るのですが今までの復讐に対して抗うことができず重症を負い、自殺しようとしてしまいます。アレックスは生還するのですが、世間ではルドヴィコ治療法が非人道的であると非難の的になりアレックスにはの回復治療が施されます。最終的にアレックスは暴力的な思想を取り戻し、祝福されて物語は幕を閉じます。

 

ガンガンネタバレしましたが、これを見た上でもおもしろいと思います。

 

私が一番おもしろいなと感じたのは、アレックスを含む4人組が使う“ナッドサット言葉”と呼ばれるスラングです。このナッドサット言葉のせいで、正直初めは何を言っているのかわかりませんでした。

しかし、作中での使われ方や周囲からの見え方がおもしろいなと感じました。

 

長々と書きましたが、百聞は一見にしかずということもあります。ぜひ見て見てください。最高の映画です。